つい先日、第二子が産まれました!税理士法人ミチ・ツナグ 加藤です。
出産世帯にとって、育児用品の準備や将来の教育資金は大きな関心事ですよね。
最近は各自治体からも、子育て支援として
「育児に必要な備品の購入費用」や「奨学金返還の支援」
といった助成金制度が用意されており、多くの方が利用されています。
私自身も、第一子の時にはなかった助成金を受けられそうで喜んでいたのですが……
しかし…実はこの「助成金」、所得税の対象になる場合があるのをご存じでしょうか?
■ 助成金=非課税?と思いきや…
多くの方が、「助成金=もらったらそのまま使えるお金」というイメージをお持ちかもしれません。
ところが、国税庁の取り扱いでは、これらの助成金の多くが 「一時所得」 として扱われ、
一定額を超えると課税対象になります。
■ 一時所得とは?
一時所得とは、「営利を目的とした継続的な取引ではなく、一時的に得られた収入」のこと。
「育児用品購入の補助金」や、「奨学金の返還支援金」なども、これに該当します。
■ 所得税がかかる基準は?
一時所得には「特別控除額(最高50万円)」が設けられています。
つまり、その年にもらった一時所得の合計が50万円以下であれば、課税の対象にはなりません。
ただし、この控除を超える部分については、以下のように計算されて課税されます。
課税対象額=(一時所得の金額 − 特別控除50万円)÷2
課税対象額は「他の所得」と合算して、所得税がかかる仕組みです。
■ 確定申告が必要なケースも
特別控除額を超える一時所得があった場合には、確定申告が必要になります。
特に以下のようなケースでは注意が必要です。
・自治体からの高額な育児支援金を受け取った
・複数の制度を併用して助成金の合計が50万円を超えた
・奨学金の返還助成を複数年分受けているが、まとめて申告していない
■ 知らずに放置すると…
課税対象であるにもかかわらず、確定申告をしていないと、後からペナルティが発生する可能性も。
せっかくの支援をトラブルにしないためにも、制度の内容や税務上の取扱いを正しく認識しておきましょう。
■ まとめ
・出産世帯向けの助成金(育児用品補助や奨学金返還支援)は、一時所得に該当する場合があります
・特別控除(最高50万円)を超えると課税対象となり、確定申告が必要になることもあります
・制度を利用したら、必ず金額と支給時期を記録しておきましょう
・心配な時は税務署や、税理士事務所等の専門家に相談しましょう
育児と税金、一見関係なさそうに思えて、意外な落とし穴があるもの。
助成制度は大いに活用しつつも、あとから困らないように「税金のルール」もしっかり押さえておきたいですね。