実は弟が重度の障害を持っていて…父が亡くなって相続が発生したんですが、どうやって進めたらいいのか分からなくて。
それは大切なご相談ですね。
相続人に障害のある方がいる場合は、法的な配慮とご家族の想いのバランスがとても重要になります。
弟は判断能力がほとんどなくて、遺産分割協議にも参加できないんです。どうすれば?
そのような場合、まず検討するのが「成年後見制度」です。
ご本人の代わりに手続きや契約ができるよう、家庭裁判所で後見人を選任します。
家族が代わりに話し合えばいいんじゃないんですか?
そう思われがちですが、法律上は利益相反になるため、家族が代理で協議することはできません。
例えば「兄が代理で弟の相続分を決める」ようなことは、他の相続人にとって不公平になりかねないからです。
たしかに…。じゃあ後見人を付けるしかないんですね。
はい。ただし、後見制度は長期にわたって続くこともあるため、今後の生活設計も含めて慎重に判断しましょう。
弟の将来が不安です。父の財産で支えてあげたいんですが、相続後に上手く管理できるかも心配で…。
そういった場合には、「特別障害者扶養信託制度(障害者信託)」や「民事信託(家族信託)」といった仕組みもあります。
ご家族の誰かが信託管理者になって、弟さんの生活費を一定のルールで管理・給付していくという方法です。
それなら、ちゃんと将来の生活も守れそうですね!
さらに、障害のある相続人には相続税の控除(障害者控除)も適用されます。
年齢や障害の程度に応じて、税額控除されます。
そんな制度があるとは知りませんでした!
弟の将来に備えるためにも、いろいろ準備しておかないとですね。
はい。障害をお持ちの方が相続人になる場合は、法的手続き・税金対策・生活支援の仕組みを総合的に考えることが大切です。
【この記事の監修者】
税理士法人ミチ・ツナグ 代表 佐々木 良道
【愛媛県行政書士会】
https://www.e-gyosei.or.jp/db/3499/
【はじめての相続】
https://1st-sozoku.com/dent/295





