税理士法人ミチ・ツナグの代表税理士。行政書士の資格も持っている。
この春、長女が入園式を迎えた。
相続のことを勉強中。
ミチ・ツナグに入ってそろそろ1年。
所長〜!
前に教えていただいた“遺産を誰に渡すかは、遺言書に記しておくのが大事”ってお話、すっごく参考になりました!
それはよかった!
遺言書に書いてあるだけで、相続って本当にスムーズになるからねぇ。
でも…もし遺言書がなかった場合って、どうなるんでしょうか?
例えば波平さんが
「うちの家族は仲が良いからいらないだろう。ゆっくり考えてそのうち書こう。」
って言って、遺言書を書かないまま亡くなってしまったとしたら…
“そのうち”って言ってる間に“その時”が来てしまうケース、多いんだよね…。
今日は、その“遺言がない場合の相続”についてお話ししていこう!
📌【基本ルール】遺言書がない=話し合いスタート!
遺言書がなければ、相続人全員で“どう分けるか”を話し合う必要があるよ。
話し合い…ですか?
あの…サザエさんの家族みたいな感じだと、果たしてスムーズにいくんでしょうか?
ああいう“にぎやかな家族構成”のご家庭は、実際多いねぇ。
だからこそ、事前に準備しておくことが大事なんだ!
🧾“遺産分割協議書”ってどんな書類?
遺産分割協議書って、“だれが何をもらうか”をまとめる書類ですよね?
そのとおり!
全員の合意内容を書面にして、あとあとになって「言った」「言わない」の揉め事のタネにならないようにしておくものだよ。
“誰が何をもらったか”をきちんと書面にして、全員で実印を押して、印鑑証明も出す必要があるんだ。
え、けっこう本気なやつなんですね…。
でも磯野家ってなんだかんだでみんな仲良しですし、
口頭でいい感じに約束することも出来ると思いますよ。
それで大丈夫にはならないんですか?
ダメです(笑)
銀行や法務局で手続きする時に、“紙でちゃんと出してね”って言ってくるからね。
🏡【例】磯野波平(遺言なし)の遺産分割協議書モデル
財産の内容 | 相続する人 | 備考 |
自宅(土地・建物) (3,000万円の価値) | 妻:フネ | 住み続ける前提で単独相続 |
預金 300万円 | 子3人で均等分割 | サザエ・カツオ・ワカメで 各100万円ずつ |
代償金 | 妻→子ども3人へ | 合計1,500万円を3人に支払 (各500万円ずつ) |
え?
土地や預金は分かりますけど、知らない単語が出てきました。
代償金ってなんですか?
代償金っていうのは、
特定の人が他の人より多くもらってしまう場合に、“お金でバランス調整”する方法だよ!
そういう方法があるんですね!
でも、フネさんがそんな大金すぐ用意できるものでしょうか?
今回も、相続した家は売るわけじゃなく住み続けるわけですし…。
“家をもらったのに借金スタート”って感じになりませんか?
その着眼点は大事だね。
土地や建物って確かに現金化しづらいから、
代償金を用意できるかどうかも分割の大事なポイントになるよ!
あと、代償金がある場合は“金額”や“支払期限”もしっかり書く必要があるね。
うっかり“いつか払います”なんて書いちゃうと、すごくモメる可能性があるよ…。
“〇年〇月末までに現金で支払う”みたいに、具体的に書いておくのが基本だね!
✍️協議書を作るときのポイント
整理すると、作成時のポイントは大きく3つだよ!
1..財産内容は具体的に記載!
2.相続人全員の署名・実印と印鑑証明書をつける!
3.代償金がある場合は“金額・期限・支払方法”までしっかり書く!
へぇ…
思った以上に、きちんと作らないといけない書類なんですね。
その通り!
だから“ネットに載ってたテンプレに名前だけ書いた”みたいなのにするのはヤバいよ。
(作るのが面倒だから、ちょっと考えてたなんて言えない…)
ちょっとしたミスから全部やり直しになったり、
あとで「やっぱり専門家に見てもらえばよかった…」ってなるケース、実はとっても多いよ。
“争わない相続”の第一歩は、正しい協議書から!
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